現場の作業服を、
“街に出られる一着”へ。
宮坂建設工業が挑んだ、装備からの現場改革
重い、寒い、動きにくい――。建設現場の作業服にまつわる“当たり前”を、帯広の宮坂建設工業はデザインの力で問い直した。 2017年、世界的デザイナーとの協業で作業服と社員の制服を一新。極寒の十勝で働く人の「装い」を、機能とプライドの両面からアップデートした取り組みを紹介する。
創業1922年、帯広で100年を超えて土木・建築を手がけてきた宮坂建設工業。約340名が働くこの老舗建設会社が2017年に取り組んだのは、「作業服と制服のフルリニューアル」だった。手を組んだのは、東京を拠点に世界で活躍するファッションデザイナー・丸山敬太氏。建設会社とトップデザイナーという異色のタッグである。
狙いは、単なる見た目の刷新ではない。企業カラーの緑と黄を生かしながら、「作業着のまま街に出ても品がある」デザインを志向。同時に、北海道の激しい寒暖差に耐える素材を選び、マイナス20度にも対応する防寒ウェアの開発にも踏み込んだ。現場の過酷さを、根性ではなく“装備”で受け止めるという発想だ。
だから、妥協したくなかった。」※コメントは取材構成イメージです(掲載時に差し替え)
特筆すべきは、その作り方だ。デザイナーが何度も現場に足を運び、実際に働く社員と意見を交わしながら設計を進めたという。着る人の声を起点に、動きやすさ・暖かさ・見た目を一つずつ詰めていく。“現場発”のものづくりが、既製の作業服にはない一着を生んだ。
“がまん”を、“装備”に変える
建設に限らず、農業も漁業も医療介護も――北海道の現場では長らく、寒さや身体的負担を「気合い」で乗り切ることが当たり前とされてきた。宮坂建設工業の取り組みが示すのは、その常識を道具とデザインでアップデートできるという可能性だ。とりわけ、体格や体感が一人ひとり異なるなかで「誰にとっても働きやすい装備」を突き詰める姿勢は、性差に配慮した現場づくり(ジェンダード・イノベーション)の考え方とも重なる。
作業服という、毎日身につけるものから現場は変えられる。宮坂建設工業の挑戦は、北海道ではたらくすべての人にとってのヒントになる。
会社データ(公開情報より)
- 会社名
- 宮坂建設工業株式会社
- 所在地
- 北海道帯広市
- 事業
- 総合建設業(土木・建築ほか)
- 創業
- 1922年(大正11年)
- 取り組み
- 2017年、デザイナー丸山敬太氏との協業で作業服・制服を刷新。-20℃対応の防寒ウェアを開発。
なぜ、この取り組みに注目したか
HOKKAIDO BLOOMING RADIOは、「がまんを、装備に変える」を合言葉に、北海道ではたらく人の健康と誇りを支える番組です。宮坂建設工業の作業服刷新は、まさに“装備で現場を変える”実例。番組では、こうした道内企業の取り組みを取材し、記事とラジオで発信していきます。
